2017年8月10日

【シリーズ2】バランスのよい相続対策とその進め方(相続対策の進め方) ~相続対策の効果とリスク②~

【シリーズ2】 バランスのよい相続対策とその進め方(相続対策の進め方) ~相続対策の効果とリスク②~

【相続対策の進め方】

相続対策の進め方としては、まず相続人の確定、相続財産の把握を行い事案の全体像を把握したうえで、相続人の意向を確認しつつ、税務についての検討を経て、相続対策の立案、検討を行うのが望ましいでしょう。

 

 

相続人の確定

 

相続人の確定は、戸籍を取り寄せることにより行います。

原則として、被相続人の出生による入籍戸籍から相続開始までの関連する戸籍(除籍、改正原戸籍を含みます。)を間断なく戸籍謄本(全部事項証明書)により調査する必要があります。

 

ただし、相続開始時に相続人たる子のあることが明らかな場合は、被相続人の生殖能力を有する年齢(14歳前後から)まで調査すれば足りますが、実務上は出生からすべて集めることが一般的です。

 

被相続人の出生から死亡までの戸籍が必要な理由は、認知した子は母親の戸籍に入るため、父親の戸籍が改製等であたらしく編成された場合には、その戸籍を見ただけでは非嫡出子の存在は分からないということになるので、他に相続人がいないか出生まで遡って探すためです。

 

また、相続人が死亡しており、数次相続や代襲相続が生じている場合には、死亡した相続人についても被相続人と同様に出生から死亡までの戸籍が必要となります。

 

 

 相続財産の把握

 

相続対策の出発点として重要なのは、相続財産(債務を含みます)の把握です。

遺産分割協議を行うにも、相続税の申告を行うにしても財産目録は必須のものとなります。

 

資料等から相続財産をもれなく把握していくことが必要です。

被相続人本人が把握できていない財産を相続人が発見するのは困難なことですので、財産の一覧表にして残しておくのが重要です。エンディングノートでは、財産の把握と本人の希望、その他の葬儀に関する事項を記載事項としており、相続財産の把握に役立てるようにできています。

 

相続対策を行う専門家は、財産目録ができれば、財産について評価を行うい、税務、法務の各種対策に繋げて行くようにします。

 

 

 相続人の意向の確認

 

相続財産の把握が終わると、財産をどのように分けるのかの検討に移るのですが、その過程では、被相続人の意向だけでなく、相続人の意向をつかんでおくことが重要となります。

 

相続問題の解決は生身の人間が関わるものですので、相続人が置かれている事情を無視した解決はあり得ません。相続人の意向を聴取していく中で、バックボーンにある根源的な問題が見えてくることも少なくありません。

民法では、法定相続分が定められており、これに基づいて遺産分割協議を行う必要があります。また、遺言によっても奪うことができない遺留分制度があります。

 

相続人の意向がこれらの規定との乖離が大きくなければ円満な分割のための積極的な提案の可能性が広がりますが、これらの規定との乖離が大きい場合でも、相続人全員の理解が得られるのであれば、生前贈与、遺言、遺留分の放棄等の対策を講じることにより、争いとならずに、事情にあった問題解決が可能となります。

 

被相続人が相続人の事情を無視した対策をしてしまって、かえって遺恨が生じるといった事態を起こさないようできる限り相続人の意向を把握することに努めるべきでしょう。

 

 

税務の検討

 

財産目録の作成が終わると、相続税の申告が必要な事案かどうかの判断に移ることとなります。

 

相続税額の計算は、各相続人の課税価格の合計、基礎控除後の課税価額を法定相続分で按分し税額を計算し、それぞれ合計して、各人の実際の取得した財産に応じて配分するという順序で行います。

 

相続税の試算を行い、納税や相続税の申告が必要な否かの見通しをたて、相続税を考慮した対策を行います。

 

 

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