2017年9月5日

【シリーズ12】遺言実現のために遺留分放棄をしよう ~相続発生前の対策/遺言書等による対策⑤~

【シリーズ12】 遺言実現のために遺留分放棄をしよう ~相続発生前の対策/遺言書等による対策⑤~

兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分(直系尊属のみが相続人である場合は、被相続人の財産の3分の1の割合、その他の場合は、被相続人の財産の2分の1の割合、個別的遺留分は全体の遺留分の率に、遺留分権利者の法定相続分の率を乗じることによって算出をします。)が認められているため、

 

遺言によってもこれた遺留分を奪うことができず、侵害された遺留分権利者は、遺留分減殺請求権を行使することができることとなります。

相続開始後は、遺留分権利者は個々の遺留分減殺請求権を行使しないことや遺留分を放棄することは可能ですが、相続開始前の放棄は、一定の判断基準の下、家庭裁判所の許可手続きを経て、相続開始前に遺留分を放棄してもらうことが必要となります。遺留分放棄が認められた場合は、「財産のすべてを特定の人に相続させる」等、遺留分を気にすることなく遺言することが可能となりますので、効果的な対策を立てることができます。

 

 

効果とリスク

<効果>

・遺留分を気にすることなく、遺言で財産を取得させることができる。

 

<注意>

・家庭裁判所に遺留分を放棄する本人が申し立てる必要があり、本人が同意しない場合は利用できない。

・手続にコスト、手間がかかる

・遺留分を放棄しても相続権はなくならないので、必ず遺言書を作成し、各財産を誰に相続させるか明確にしておかなければならない。

 

<リスク>

・申立人の意思や経済状況などを勘案し、遺留分放棄の申立てが却下されることがあり、状況の変化により審判が取り消られる場合がある。

・遺言が見つからなかったり、無効となった場合は、各相続人が法定相続人を相続することになってしまう。

 

 

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