2017年9月26日

【シリーズ24】相続時精算課税制度の活用をしよう ~相続発生前の対策/贈与による対策~

【シリーズ24】相続時精算課税制度の活用をしよう ~相続発生前の対策/贈与による対策~

アパートやマンションなどの収益物件を贈与する場合や、支配権を後継者へ集中させるために自主株をまとめて贈与する場合に、暦年課税贈与では一度に多額の贈与をすると、贈与税の負担が非常に重くなります。一方、相続時精算課税制度を活用すると、2,500万円までは無税で贈与することが可能となります。

ただし、その贈与した財産は相続時に精算することとなっています。しかし、相続税は贈与した時の価額で計算をするため、将来値上がりが予想される株式や不動産を贈与した場合には、効果的な相続対策となります。

 

 

効果とリスク

 

<効果>

・2,500万円分の贈与税の非課税枠があるため、一度に多額の贈与をする場合は暦年課税制度より税金の総支払額を抑えることができる。

・相続財産の総額が基礎控除額以下であれば、贈与時・相続時を通じて税額が零になる。

・贈与財産は贈与時点の評価額をベースに課税されるので、値上がりが予想される不動産・株式等を事前に贈与すれば相続税を減らすことができる。

・贈与者の意志に基づく財産分与・事業承継ができる。

 

<注意>

・贈与者は60歳以上の直系尊属、受贈者は20歳以上でなければならない。

・贈与財産は相続発生時に改めて相続税の課税価格に導入されるため、納税資金を用意しておかなければならない。

 

<リスク>

・贈与財産は小規模宅地の特例を受けることができない。

・暦年課税制度の基礎控除額を利用できなくなり、暦年課税制度が有利な状況になっても変更できない。

・贈与財産の値下がりがあると、結果として増税になる。

・贈与財産は相続時に物納することができない。

・贈与財産を費消・毀損した場合であっても相続時に納税義務は発生するため、納税資金を捻出できなくなるおそれがある。

 

 

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