2017年9月8日

【シリーズ15】一部の遺贈ってどういうこと? ~相続発生前の対策/遺言書等による対策⑧~

【シリーズ15】 一部の遺贈ってどういうこと? ~相続発生前の対策/遺言書等による対策⑧~

遺言では、全ての財産の処理を網羅する必要はなく、ある特定の財産の処分についてだけ記載することも可能です。特に、内縁の妻などの法定相続人ではないものの、特定の財産についての利害関係者がいる場合は、他の相続人の遺留分を侵害しない形で、当該財産を特定遺贈することで、財産を引継ぐ必要性の有る者に引き継がせることができます。 

 

 

効果とリスク

<効果>

・特定の財産を引継いでもらいたい人に引き継がせることができる。

 

<注意>

・受遺者は遺贈の放棄が可能であるため、遺言者の意思を実現するためには、受遺者が遺贈を承認する必要がある。

・残りの財産についての分割方法について記載するかどうか選択する必要がある。

 

<リスク>

・遺言書に記載のない財産について、相続人で分割協議が行われることになり、これをめぐって争いが生じる恐れがある。

・分割協議では、受遺者の法定相続分について、遺言に記載された財産も含んで計算されるため、受遺者が分割協議により受け取る残りの財産は相対的にすくなくなってしまう。

 

 

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