2017年10月13日
【シリーズ36】 生命保険の活用(納税資金対策) ~相続発生前の対策/生命保険による対策~
【シリーズ36】 生命保険の活用(納税資金対策) ~相続発生前の対策/生命保険による対策~
相続財産のほとんどが自宅などの不動産であり、現金や預金があまりない状態のまま相続が発生すると、相続税の納期限までに納税資金が準備できずやむを得ず相続財産の一部を売却するなど納税資金に困るケースが考えられます。
納税資金を確保するために比較的簡単な手続として生命保険への加入が有効です。想定される相続税額を正しく算出し、納税資金として生命保険でいくら確保するのか、保険料でいくら支払うのか、受取人を誰にするかなど事前にしっかり検討することが重要です。
効果とリスク
<効果>
・生命保険加入時に必要補償額が確保できるので、いつ相続が発生しても保険金を納税資金に充てることができる。
・生命保険によって納税資金を確保できれば、他の相続財産の売却等をしなくて済む。
・相続人が保険金を受け取った場合には保険金の非課税枠が使える。
・生命保険金は分割が可能な種類の財産であるため、代償分割の支払資金として利用するなど争族対策にも有効である。
<注意>
・一生涯保障の続く終身保険で有期払込みのものが望ましくて、若いときには大きな保障で高齢になると補償額が小さくなるものには適さない。
・年齢や健康状態によっては、終身保険への加入ができないおそれがある。
・配偶者である妻が受け取った生命保険金で、子の負担すべき相続税を納めると配偶者から子への贈与となり贈与税が課されるおそれがある。
<リスク>
・一次相続のみを考えて生命保険に加入すると、結果的に二次相続で多額の相続税がかかるおそれがある。