2017年10月17日
【シリーズ38】 生命保険の活用(遺産分割対策)~相続発生前の対策/生命保険による対策~
【シリーズ38】 生命保険の活用(遺産分割対策) ~相続発生前の対策/生命保険による対策~
生命保険金は、受取人固有の財産であるため、遺産分割協議の対象外であり、被相続人は生前から自分の意思で特定の受取人に一定の財産を相続させることが可能となります。また、生命保険金を遺留分対策として利用することも可能です。
効果とリスク
<効果>
・生命保険金の受取人に指定され、生命保険金を受け取ると、受取人固有の財産となるため、①遺産分割協議に影響されることなく、特定の者に対して確実に当該財産を相続させることができる、②預金のように遺産分割協議が調うまで金融機関で凍結されることがない。
・相続財産のほとんどを分割できない財産が占める場合に、生命保険金を代償金として活用することによって、遺留分に配慮した円滑な遺産分割ができる。
・生命保険金の請求権は、受取人固有の財産であるため、原則遺留分減殺請求権の対象にならない。
・相続放棄をしても生命保険金を受け取ることが可能。
<注意>
・生命保険の受取人が被相続人になっている場合は、遺産分割の対象となる。
・相続発生の直前だと、被相続人は生命保険に加入できない状況であることが多い。
<リスク>
・生命保険金は原則として特別受益には当たらないが、共同相続人間で著しい不公平が生じる場合には、特別受益に準じて持戻しの対象となる。
・被相続人が保険料を負担していた場合には、受け取った生命保険金の総額を相続税の申告書に記載する必要があり、生命保険金を受け取った事実が他の共同相続人に知られてしまう。