2017年10月23日

【シリーズ42】 法人契約による生命保険の活用 ~相続発生前の対策/生命保険による対策~

【シリーズ42】 法人契約による生命保険の活用 ~相続発生前の対策/生命保険による対策~

法人契約による生命保険には、さまざまな効果があり、通常の保険としての「経営者に万が一のことがあった場合に備えての保障」の他に「経営者の退職金の準備のための保障」としての効果もあります。

支払った保険料については損金に算入することで法人税の節税に繋がり、自社株の引下げにも役立ちます。また、役員の死亡時には死亡退職金や弔慰金の原資として、また、相続税の納税資金としても利用することができます。

ただし、保険を使った節税についてはあくまでも課税の繰延べであり、解約時に解約返戻金相当額が益金となり、それに見合う損金(=退職金や弔慰金)がなければ節税の効果がなくなるため、出口でのコントロールが重要となります。

 

 

 

 

効果とリスク

 

<効果>

・会社が受け取った生命保険金を死亡退職金と弔慰金の原資に充てることで、死亡退職金と弔慰金の相続税非課税枠を利用できるとともに、納税資金の確保にも役立つ。

・退職金の支払事業年度が赤字決算となるリスクを回避できる。

・支払保険料が損金の額に算入される場合には、利益額の減少等により自社株式の評価額を引き下げることができる。

 

 

<注意>

・保険料の必要時期、必要額、保険料の支払に耐えられるかなどを事前にシミュレーションした上で加入する必要がある。

・生命保険の種類・加入形態によっては、支払保険料が損金算入できない。

・過大な死亡退職金を支払った場合は、過大部分が損金算入できない。

・将来的な税制の変更により思わぬ影響が生じるおそれがある。

・被保険者の役員が生前に退職することになった場合でも、その生命保険契約を解約する必要はなく、退職する役員へ譲渡すればよい。

 

 

<リスク>

・保険契約を短期間で解約した場合には元本割れを起こすおそれがある。

 

 

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