2017年10月25日
【シリーズ44】 納税資金不足の場合の貸地の対策 ~相続発生前の対策/不動産をめぐる対策~
【シリーズ44】 納税資金不足の場合の貸地の対策 ~相続発生前の対策/不動産をめぐる対策~
相続税の納税対策は相続対策の中でも大変重要であるといえます。相続税の納付期限は申告期限と同じく相続開始後10か月以内であり、原則的に金銭一時納付が求められます。金銭一時納付が困難な場合に年賦による納税(延納)が認められ、更に延納も困難な場合に初めて物納が認められます。
相続財産の中に貸宅地を多く所有し、相続税の納税資金が不足している場合には、長期的な視野で貸宅地という財産を他の財産に組み替え、納税に耐え得る状況を作っていくといった対策を検討する必要があります。
貸宅地の状態で相続を迎えてしまいますと申告期限までに金銭納付又は物納ができない場合が生じます。
組み替え後の財産は金融資産又は権利(借地権者)の存在しない土地となります。
効果とリスク
<効果>
・借主と一緒に底地と借地権を共同売却すると納税資金に充てられる。
・底地と借地権を交換すると、売却による納税資金確保、物納に備えられる。
<注意>
・土地を物納する場合には、物納不適格財産ではないことを確認しなければならない。
<リスク>
・貸地の物納は要件が厳しく、認められない恐れがある。
・借主に資金がない、立退料が高額など、借主への売却や借主の立退きが困難な場合がある。