2017年11月13日
【シリーズ57】 定期借地権の前受方式の活用 ~相続発生前の対策/不動産をめぐる対策~
【シリーズ57】 定期借地権の前受方式の活用 ~相続発生前の対策/不動産をめぐる対策~
相続財産の中に所有する土地がある場合、これを活用して相続税の納税資金等を確保することが考えられます。所有土地を売却せずに保持し続けたい場合には、定期借地権を設定して地代の前受方式をとることで、契約期間中の地代を借地権設定契約締結時に一括で受領することが可能です。この前受方式によって受け取った地代を相続税の納税等に充てることができるのです。
もっとも、この前受方式には、実際に借地人と合意できるかどうか、税法上認められるための条件を満たしているかどうかなど注意すべき点があることも留意する必要があります。
効果とリスク
<効果>
・地代の全部又は一部を一括して得ておくことで、所有権を保持したまま、納税資金を確保することができる。
・所得税について、一時金を分割して収益計上することができる。
・借地権者は、前払地代を支払うことにより保証金などを支払う必要性がなくなるなどのメリットが考えられる。
<注意>
・税務上、前払地代であると認められる条件(①明確な契約書、②取引実態が前受けの状態、③地代が適正に算定されている。)を満たさなくてはならない。
<リスク>
・中途解約時に未経過の地代を返還する場合、違約金と未経過分相当額が同じであれば一時金は権利金として課税される。