2017年11月14日
【シリーズ58】土地賃貸における普通借地権の設定 ~相続発生前の対策/不動産をめぐる対策~
【シリーズ58】 土地賃貸における普通借地権の設定 ~相続発生前の対策/不動産をめぐる対策~
相続財産の中に所有する土地がある場合、あらかじめ土地に普通借地権を設定して賃貸しておくことが有効な相続対策になります。もっとも、普通借地権を設定した場合は、契約の更新、借地上の建物の買取等で借地権者が法律上保護されていますので、土地を賃貸する側にとってはリスクも考えられます。
そのため、定期借地権を設定する場合との比較考慮等を含めて、個別事情の下で慎重に検討する必要があります。
効果とリスク
<効果>
・借地権設定後に相続があった場合、貸宅地として、更地の場合と比べて評価額を軽減できる。
・要件を満たせば、小規模宅地等の減額特例の適用が受けられる。
・手続が煩雑な定期借地権に比べ、普通借地権は借地借家法などに反しない限り、契約当事者間で任意に契約できる。
・相続開始が借地契約満了日に近づくにつれて、定期借地権よりも評価額が下がる。
<注意>
・土地の取得からいつ貸し出すかによって譲渡所得に対する課税が異なる。
<リスク>
・更新拒絶に正当事由がなければ法定更新されることになるので、半永久的に土地の利用権が地主に戻らないおそれがある。
・権利金が多額になる。
・相続開始が契約締結時から期間が経過していない場合、定期借地権の方が有利になる。