2017年11月27日

【シリーズ66】 拒否権付株式(黄金株)の活用 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~

【シリーズ66】 拒否権付株式(黄金株)の活用 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~

種類株式には、株主総会(取締役会設置会社においては取締役会を含みます。)で決議を要する事項のうち定款記載の一定の事項の決定に対して、その種類株主総会の決議があることを要する株式、「拒否権付株式」があります。この拒否権付株式は、黄金株とも呼ばれ、株主総会又は取締役会でどれほど多数の賛成を得ていても、この拒否権付株式の種類株主総会で否決されれば当該決議事項は効力を生じないことから、会社の防衛などに利用されています。拒否権付株式は、誰に拒否権付株式を保有させるか、また、どのような事項について拒否権を付すかなど、その活用の仕方次第で相続による事業承継に役立たせることができます。

 

 

効果とリスク

 

<効果>

・経営者が拒否権付株式を保持しながら後継者に経営権を生前贈与することによって、経営を監視できる。

・後継者が自社株式の過半数を有しない場合、後継者に拒否権付株式を取得させることで経営権を安定させることができる。

・後継者以外の相続人に議決権制限株式を取得させる際、一定の重要事項に拒否権を持たせるようにすれば、相続人を納得させやすくなる。

 

<注意>

・拒否権を持たせる事項について、あらかじめ検討しておかなければならない。

 

<リスク>

・拒否権が経営の足かせとなるおそれがある。

・黄金株が反対株主の手に渡ると経営が混乱してしまう。

・登記簿から黄金株の存在が判明すると、取引先が不安感を抱くおそれがある。

・黄金株を後継者以外の者が保有している場合、後継者は自社株式の納税猶予の適用を受けられなくなる。

 

  1. 一覧へ戻る
  1. 一覧へ戻る