2017年12月6日
【シリーズ73】 従業員持株会の活用 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~
【シリーズ73】 従業員持株会の活用 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~
従業員持株会制度とは、従業員が勤務している会社の株式を取得し資産形成を支援するための福利厚生や従業員の経営への関心を高め、モチベーションをアップさせること等を目的とする制度です。
従業員持株会はこの制度のために設立された民法上の組合等をいいます。
従業員持株会制度を活用することにより、オーナー経営者の相続財産を減らすことができます。
効果とリスク
<効果>
・株式を社外に流出させることなくオーナー経営者の相続財産を減らすことができる。
・従業員持株会がオーナー経営者の遠い親戚や退職後の役員等から株式を買い取ることで株式の分散を防止できる。
<注意>
・従業員持株会を適正に運用し続けなければならない。
・従業員持株会の組織形態や規約の内容について十分検討しなければならない。
・金融商品取引法の規制に抵触しないように気をつけなければならない。
<リスク>
・オーナー経営者の議決権の減少により、経営支配力に問題が生じたり、株主関係が悪化した場合に会社経営に混乱が生じる可能性がある。
・従業員から株式を買い取る際の価格でもめるおそれがある。
・オーナー経営者一族が株式を買い戻す際には、贈与税の問題が生じる可能性がある。