2017年12月14日
【シリーズ79】 増資による対策 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~
【シリーズ79】 増資による対策 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~
相続対策を考えるに当たり、株価を引き下げることが一つの検討課題となりますが、第三者割当による増資をすることにより株価の引下げ対策を行うことができます。もっとも、株価の引下げ効果をねらうためには、現状の株価よりも低い発行価額で増資を行うことが必要となるため、課税関係が時価での増資による場合と異なってくる可能性があります。増資による株価引下げ対策を行うに当たっては、税務に注意しながら検討する必要があります。
効果とリスク
<効果>
・現状の株価よりも低い発行価額で増資を実行することにより、株価を引き下げることができる。
<注意>
・原則として、株主総会の特別決議による承認を得なければならない。
<リスク>
・有利な発行価額に該当する場合には、既存株主から増資を引き受ける株主に対して利益の移転があったものとして課税関係が生じる。
・資本金の増加により、会社が支払う法人税が増加するおそれがある。
・同族関係者以外を株式の引受人にする場合は、経営者の議決権割合が低価する。