2017年12月18日
【シリーズ81】 事業譲渡の活用 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~
【シリーズ81】 事業譲渡の活用 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~
事業譲渡を活用することにより、経営する会社の株価を引き下げることができます。特に、好業績の部門がある会社の場合、譲受会社に好業績部門を譲渡することにより株価を引き下げることが可能です。もっとも、事業譲渡は会社分割等と異なり個々の資産の譲渡として取り扱われますので、会社法上の手続や課税関係には注意を要します。
効果とリスク
<効果>
・優良事業を後継者が経営する会社に事業譲渡することで、譲渡会社の収益性が小さくなり、今後の株価上昇を抑えることができる。
・譲受会社へ移籍する従業員に退職金を支給することで、譲渡会社の株価を引き下げることができる。
・資産は譲渡会社が保有し、譲受会社に賃貸すれば、譲渡会社の株価を引き下げることができる。
<注意>
・一定規模の事業譲渡を行う場合、株主総会の特別決議による承認を得なければならない。
・事業譲渡は個々の資産の譲渡となるため、消費税計算上は資産ごとに課税・非課税を区分して処理しなければならない。
<リスク>
・原則として、譲受会社に資産を移すと資産の譲渡となり法人税が課税される。