2018年1月11日
【シリーズ93】 M&Aの活用~相続発生前の対策/企業オーナー等の対策~
【シリーズ93】 M&Aの活用~相続発生前の対策/企業オーナー等の対策~
親族外承継には、企業内で従業員に承継させる企業内承継(MBO)以外に、企業外の第三者に承継させるM&Aがあります。
M&Aというと、大企業の合併や敵対的な買収のイメージが強いかもしれませんが、事業継続が困難な場合等に、会社を清算するのではなく、持株を現金化するために譲渡するケースや、買収による相乗効果を期待して譲渡するケース等の友好的M&Aも数多くあります。
また、税務上の観点からも、M&Aを活用することが有益であるケースもあります。
効果とリスク
<効果>
・M&Aで株式を取得する会社が承継対象事業と親和性が高い事業を営んでいる場合、シナジー効果で業績が向上し、事業の継続や従業員の雇用等も強固になる。
・現経営者は株式を現金化することができ、生活資金を確保できる。
<注意>
・条件交渉や買収監査等の手続を経なければならない。
・親族外に譲渡する非上場株式の時価を算定しなければならない。
<リスク>
・M&A後に役員や従業員が退職したり、現場の士気が下がるなど、事業の継続が円滑に進まない可能性がある。
・適切な株式の譲渡先を見つけるのが難しい。
・買い手が上場会社である場合、会社の財務情報などが公表される、決算の頻度が増える、会計基準等への対応が必要になるなど、上場会社の連結子会社となる負担がある。