2018年1月19日
【シリーズ99】 遺言代用信託の活用~相続発生前の対策/その他の対策~
【シリーズ99】 遺言代用信託の活用~相続発生前の対策/その他の対策~
遺言代用信託とは、生前に自己の財産を他人に信託して、委託者自身を自己生存中の受益者として、自己の子・配偶者その他の者を「死亡後受益者」とすることにより、自己の死亡後における財産分配を信託によって達成するものです。
この遺言代用信託は、遺言信託と異なり、委託者の死亡により改めて信託のための手続や遺言執行が不要なため、早期に確実に本人の財産を承継させることができ、遺言制度を使わない相続対策といえます。
効果とリスク
<効果>
・遺言のような厳格な様式が不要であり、契約締結後にすぐ効力を発するため、生前に確実な財産分与を実行できる。
・遺言と異なり、相続財産の帰属以外にも様々な事柄を定めておくことができる。
・委託者の死亡時に預金口座が閉鎖されない。
・信託会社等を受託者にすることで、悪意の第三者に財産を詐取されるリスクを低減できる。
・委託者が受益者の変更や信託契約の終了なでを自由に行える。
<注意>
・信託報酬などのコストがかかる。
・受益の移動時には相続税や贈与税がかかる。
<リスク>
・信託財産がほかの相続人の遺留分を侵害している場合は、遺留分減殺請求の対象になってしまう。