2017年9月29日
【シリーズ27】遺贈や債務免除で赤字会社の活用をしよう ~相続発生前の対策/贈与による対策~
【シリーズ27】 遺贈や債務免除で赤字会社の活用をしよう ~相続発生前の対策/贈与による対策~
相続財産を法人へ遺贈した場合には、法人は時価で財産を受け入れたものとして、受贈益が発生します。しかし、繰越欠損金を有する法人であれば、欠損金の範囲内であれば法人税の心配がありません。
また、同族会社に対して貸付金を有している場合には、貸付金が相続財産になってしまうため、債権放棄を検討することになります。この場合も、法人側では債務免除益が発生しますが、繰越欠損金を有する場合には、欠損金の範囲内であれば法人税がかかりません。
このように、赤字会社を活用することで、有効な相続税対策が可能となります。
効果とリスク
<効果>
・遺贈による受贈益が会社の欠損金の範囲内であれば法人税の課税を受けない。
・債務免除による受贈益が会社の欠損金の範囲内であれば法人税の課税を受けない。
・含み損のある会社所有財産を処分、売却損失に受贈益を吸収させるなど、経営資源の質を上げるための資産組替えができる。
・高収益物件を贈与すれば会社の収益力を強化できる。
<注意>
・オーナー企業で、かつ、財産を移転したい赤字会社又は含み損を有する会社でなければ利用できない。
<リスク>
・不動産を贈与する場合、譲渡益が出ていると所得税の課税を受ける。
・税の減少のみが目的と認定されると、課税当局から「同族会社等の行為又は計算の否認」を受けるおそれがある。