2017年10月6日

【シリーズ32】 非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度の活用 ~相続発生前の対策/贈与による対策~

【シリーズ32】 非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度の活用 ~相続発生前の対策/贈与による対策~
事業の後継者が、先代経営者から経済産業大臣の認定を受ける非上場株式等の全部又は一定数以上を贈与により取得して、その会社を継続的に経営する場合で一定の手続きをしたときは、その後継者が納付すべき贈与税のうち、その非上場株式等に対応する贈与税の納税が猶予されます。この猶予される贈与税額を非上場株式等納税猶予税額といいます。


非上場株式等納税猶予税額は先代経営者や後継者の死亡等によりその全部又は一部が免除されます。
ただし、免除される時までにその非上場株式等を譲渡した場合等には、非上場株式等納税猶予税額の全部又は一部を利子税と併せて納付しなければなりません。

 

 

 

効果とリスク

<効果>
・後継者が先代経営者から贈与を受けた株式等のうち、一定の部分に係る贈与税の納税が猶予される。
・先代経営者や後継者が死亡した場合等には、非上場株式等納税猶予税額が免除される。

 

<注意>
・会社、先代経営者、後継者のそれぞれについて適用要件を満たした上で、経済産業大臣の認定を受けなければならない。
・後継者は先代経営者から全部又は一定数以上の株式等を取得しなければならない。
・贈与税の申告書を期限内に提出し、かつ、担保を提供しなければならない。
・一定期間ごとに継続届出書等を提出しなければならない。
・先代経営者が死亡した場合には、特例の適用を受けた株式等に相続税が課税される。ただし、相続税の納税猶予制度の適用は可能である。

 

<リスク>
・特例の適用を受ける株式等を贈与した年にそれ以外の財産の贈与をすると贈与税の負担が重くなる。
・特例の適用を受けた株式等を譲渡した場合等には、非上場株式等納税猶予税額の全部又は一部を利子税と併せて納付する必要がある。
・この規定の適用を受けた場合には、先代経営者から相続又は遺贈により取得したその会社の株式等については、非上場株式等に係る相続税の納税猶予の規定の適用を受けることができない。

 

 

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