2017年12月20日
【シリーズ83】 会社分割の活用 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~
【シリーズ83】 会社分割の活用 ~相続発生前の対策/株式をめぐる対策~
事業内容が複数にわたる会社を経営しているときに、それぞれの事業を複数の後継者に分けて相続させたい場合や、事業承継を円滑に行うための事業再生を図って優良事業と不採算事業を切り離しておきたい場合などに、事業の一部を譲渡することのほか、会社分割を利用するという方法もあります。会社分割を利用することで、株価の引下げが可能となる場合もあり、事業承継において会社分割の利用も一つの選択肢として検討してみましょう。
効果とリスク
<効果>
・後継者が複数いる場合、あらかじめ事業を分けておけばそれぞれに相続させやすい。
・含み損が大きい資産を分離することで、株価を引き下げることができる。
・二つの業種を営む会社の一方の事業を分社し、それぞれの事業種目における類似株価で算定することにより、合計の株価を引き下げることができる。
<注意>
・原則として株主総会の特別決議による承認を得なければならない。
<リスク>
・分社前に比べて会社規模が小さくなり、併用方式を用いる場合の類似業種比準価額の割合が低くなってしまう場合がある。
・税制適格要件を満たさない場合、税負担が重くなる。